インザナ地獄

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『ハンセン病を生きて』(伊波敏男 岩波ジュニア新書)

ハンセン病を生きて―きみたちに伝えたいこと (岩波ジュニア新書)

ハンセン病を生きて―きみたちに伝えたいこと (岩波ジュニア新書)

まだ最後まで読んでないけど。
ハンセン病問題について、ハンセン病回復者の著者の体験などを通して触れている本。

本の内容とはちょっとずれるのだが、色々と思うところがあった。
自分は差別の原因を想像力の欠如と考えていたのだが、この本を読んで疑問になってきた。
例えばタバコを吸う人がいたとして、その人に対して、
「メリットもないタバコを吸うなんて頭の悪い奴だ」
と思ったとする。
これは勝手に相手の中身を想像しているわけで、想像の結果むしろ差別的な発想が生まれている。
この本で触れられているハンセン病に関しても、
「感染力が低いとか治療可能といってもそうでない可能性があるんじゃないか」
という想像をする人がいて、それも差別の要因の一つだったのではないか。

そんなわけで改めて考えると、差別の原因は僅かな情報から固定された結論を出す事、これも大きそうだ。
わからない事をわからないままにしておく事や、結論を出さない事って不安を招くんだけど、
それを恐れて無理矢理結論を出したり、わかった気になるという事は間違いの元なのだろう。
なんか蒼天航路孫権の問い、を思い出した。
わからぬままに問いを問いのまま自分の中に残し、問い続ける、かあ。

古い話だけど、地下鉄サリン事件の後のオウム真理教の扱いとか、最近なら秋葉原の通り魔事件の犯人像とか、
結論を出す誘惑を超えて考えなければいけない事が色々あると感じましたとさ。