インザナ地獄

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『おひっこし―竹易てあし漫画全集』(沙村 広明 アフタヌーンKC)

竹易てあし漫画全集 おひっこし (アフタヌーンKC)

竹易てあし漫画全集 おひっこし (アフタヌーンKC)

存在は大分前から知っていたのだが、あんま見かけることもなく買ってなかった。
漫画喫茶で見かけたので読んでみたら面白かったので先日購入。

竹易てあし漫画全集、となってるけどまあ別名使ってる(ネタでなのか?)だけで作者は無限の住人の沙村 広明。
内容は大学生の恋愛モノで冊子名にもある『おひっこし』、少女漫画家が主人公だが中身はただのカオス漫画の『少女漫画家無宿 涙のランチョン日記』、
それに京都にちょっと遊びに行ってきましたという感じのレポ?である『みどろヶ池に修羅を見た』の3作。
『おひっこし』、が160P程度、『涙のランチョン』が60Pぐらい、『みどろヶ池』が8Pなので、おひっこしがメインといえそう。

無限の住人』とジャンルはまるで別物、でも絵柄は同じ……というわけで無限の住人の読者ならギャップでちょっと笑えるかも。
「赤木さんのいいトコロそれは……名前が線対称って事なんだな」
赤の時点で微妙に線対称じゃないとか突っ込んでもいいが、それ以前に線対称だから何が良いのかさっぱりわからない件。
あの絵柄で最初のページからこんなノリなので俺はニヤニヤしてしまった。
主人公がおかしな奴で、前述の名前が線対称とかの発言の他にも、「何で『鰯』はサカナへんに『弱』なんだ? みんな……鰯をバカにしている……」
とかつぶやきだしたりする。まあ主人公以外のキャラもかなり個性的なのだが。
そんなわけでギャグっぽい展開が多いのだが、真面目な展開もあったりで意外とリアルな一面を見せる事も。
ラストも爽やかでちょっとしたオチも付いてたり、読後感はかなり良かった。
妙に気に入ってしまったので、無限の住人が完結するようならその後はこの路線でまた書いて欲しいなと思った。