インザナ地獄

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ガリレオの苦悩

ガリレオの苦悩

ガリレオの苦悩

大分前によっしーに借りたのだが、読み終えるのが大分遅くなってしまった。
聖女の救済容疑者Xの献身 (文春文庫)とは異なりこちらは短編集。
というか長編の方が珍しいのかな?このシリーズは。

トリックに使う手段が特殊なので、具体的な犯行方法まで推理するのには無理があるものが多い。
どちらかといえばそれ以外の部分での「なぜ?」を考える小説かな。
個人的には長編の方が人物の掘り下げとかが多くなる分好きかな。
以下簡単に各作品にコメント。
  • 落下る(おちる)
    • 最後でちょっとしたどんでん返しというかオチがついてて、収録作品の中ではちょっと異端かも。ウソじゃないけど事実上のウソも使いようってとこですか。
  • 操縦る(あやつる)
    • 容疑者Xほどではないが、なかなか物悲しい話。トリックは想像できても、詳細な動機で話を引き立てた印象。
  • 密室る(とじる)
    • いつの間にか事件の話になったと思っていたら解決してた、何を言っているのかわからねーと(略)。ちょっと地味な話か。特にトリックが無くても成立した犯行の気もしないでもないw
  • 指標す(しめす)
    • 細かい部分でヒントが仕込まれているのだが、湯川がさっさと指摘してしまうので考える前に判明するという罠!内海と湯川のダウジングに対する温度差が面白い。
  • 攪乱す(みだす)
    • 犯人がどうしようもない。と一言で片付けるわけにもいくまい。本人にとっては重い出来事でも、他の人(関わっていたとしても)からみるとそうでもないというのは良くあることか。
個人的な意見としては東野圭吾の作品の中で特別面白い方だとは思わなかったかな?
ありがちな意見だと思うが、容疑者Xの献身 (文春文庫)か、ゲームの名は誘拐がお薦めだろう。

糸冬