インザナ地獄

インザナ勢です

設定資料集を買った

特に買うつもりはなかったのだけど、伊藤さんの発言が結構載っているようなので購入。

インタビューを読んだ感想としては、ゲームのコンセプトにこだわりすぎて、
実際にそれで面白くなるか、それが面白さに繋がるかを軽視してしまったのかなとか。
開発者の意図したようにプレイヤーがプレイしてくれるとは限らないので、
そうした意図を汲まなくても楽しめるようにするなり、ゲームの展開やバランスなどで、
自然とこういう風にプレイすればいいのかな、とプレイヤーがわかるようにするとかが大事かなと。

普通のインタビューに比べれば悪い面に対する言及は大目だったかなと思うけれど、
もう少し突っ込んで欲しい部分はあるかなー。
アイテムコンプを否定という発言があったものの、実際のゲーム中では
マップに壊すとアイテムが出る以外の意味がほとんどないオブジェクトがいっぱいあって、
そこでしか手に入らないものがあったりする。
そして敵を1体残してキャプチャーなりしてから回収する、ぐらいの感じでないとそれらの回収が
ほとんど出来ない感じだったりとか、戦死の条件が厳しくて終盤空気気味とか、
アイテム入手関係の仕様は目的がどうにも見え難い印象だったのでそのあたりとか聞いて欲しかった。

他だと色々なキャラを使って欲しいという発言があったけれど、スキル習得の熟練度がキャラ別だったり、
スペシャリティの要素があったりで固定メンバーで進めたくなるような要素があるのもどうなのかと。
フリーマップがない以上、レベルや熟練度、スペシャリティをあげないと、
後で苦労するかもしれないと思って固定メンバーでなるべく進める、と考えてプレイするユーザーも結構いるはずだ。
傭兵のシステムも微妙に面倒でお金だけでなくアイテムを使う必要もあって、
そのあたりも気軽に色々なクラスを〜というのを妨げる要因だったのではないかと。


ともあれそのあたりの仕様は伊藤さんの意図通りだったようで、
ディレクターが浅井さんだった事とゲーム部分の不満点にはあまり関係はなさそう?
コンプなどの完全主義を否定するようなコンセプトと全てが上手くいくわけではない、
というストーリーも一致している気がするし、エンディングはともかく浅井さんの仕事は悪くなかったのかもしれない。
あえて言うならば、ディレクター兼シナリオという立場でなくシナリオ専属であれば、
後味の悪いエンディングにディレクターの立場の人がこれはどうなのか?
という突っ込みを入れてくれたんじゃないかなとも。


読んで思ったのはやはり伊藤さんは癖のある人だなと。
グングニルみたいな基本的には普通で、お手本となるゲームがはっきりしているタイプではなく、
1からデザインするようなタイプのゲームの方がその癖の強さは良いほうに働くのではないかと思う。
手本があるゲームだと無理に既存のゲームとの違いを付けようとするような……?
まあ勝手な推測だけれども。

でもグングニルのシステムを評価している人もそれなりにいるようだし、
こうやって毎回賛否両論になるようなゲームを作り続けてくれればいいのかなとも。
糸冬